生き方を動物に学ぼうシリーズ その2:動物にみる子育てアレコレ

さて。私の周りはちょっとしたベビーブームを迎えていて、そろそろ子どもに離乳食を食わせるの何のという話をしております。それを聞くたび、自分も離乳食を食べていた、ということを想像してみるのですが、全くピンときません。当たり前か。



てなわけで今回は、動物たちがどのように子育てしているのか、特に、お食事編をご紹介します。

と、その前に覚えておきたいこと


親が子を保護し、食物を与えて子育てする。これって当たり前だと思うじゃないですか。ところが、動物世界ではこれが全くもって「当たり前」ではないんです。

親が子を保護し、食物を与える動物は、大きく分けると鳥類と哺乳類(と、その他のごく例外的な種)だけ。で、鳥類と哺乳類が全動物のうちに占める割合は、実に約1%以下。つまり、我々は「親は子育てするもんでしょ」と思いがちなわけですが、動物界ではそんなこたあない、ということなのです。

てなことも頭に入れつつ、ちょっと見ていきましょう。



まず、コアラ。木の上で生活している彼らの主食はユーカリという植物ですが、これ、実は油分が多くて消化に不向き、かつ、若葉には一時的に猛毒があったりするのだそう(その毒性たるや、ヒツジが約30g食べたら死ぬくらい)。

そんなユーカリを主食にしているコアラ。子どもにエサを与えるとき、どうするかというと、「パップ」と呼ばれる離乳食のようなものを与えます。この「パップ」、実は母親の肛門から出てくる、未消化のユーカリの葉っぱ。見方によっては、コアラの子どもはお母さんのウ〇コを食べて大きくなるのだそうです。うーむ。お食事時には避けたい話題。

鳥類・蜘蛛・猫・そして人類


鳥類は、子どもにエサを盛んに与えている印象がありますね。例えばツバメは、2~3分に1回、21日間にわたって巣で待っているヒナにエサを与え続けるのだそうです。過労死しやしないか心配になりますが。

それをさらに上回るのがシジュウカラで、こちらは平均40秒に1回の頻度でエサを与えるのだとか。親がヒナに与える虫の量は、1日で約1000匹に上るとか。いやー。頭が下がる。

子どもに対する愛情で頭が下がる、という観点で僕が最強だなと思うのがカバキコマチグモ。このクモ、子どもが2回目の脱皮を終えると、子どもたちが母親の足から胴体からを食べ出すのだそうです。うーむ。母親の方は、当然ながらそれを甘んじて受け入れるし、そのまま絶命する。これ、スゴイ話だなと。

家のローンがどうで、子どもたちの進学にお金がかかるから仕事がシンドイけど辞められないとか頑張る!とか、そういうレベルじゃないものを見せつけられてしまって、僕は少しショックを受けています(笑)。いやー、スゴイ。

ちなみに、ネコは一定期間子ネコに乳を与えますが、あるタイミングを境によそよそしくなり、親ネコがあまり子ネコの面倒を見なくなるんだそうです。そして、あまりしつこく子ネコが乳をねだったりすると、脅かしたり、攻撃することもあるのだとか。

これは、いつまでも親子が一緒にいるよりも、親離れ、子離れする方が繁殖戦略上有利だということを、ネコは本能的に知ってるってことなんでしょうね。

翻って、我々人間は・・・。未だに親からの実家で生活している僕には、何も言えません・・・。

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